ブータン旅行を2倍楽しむための旅行準備と役立つ豆知識まとめ
はじめに
ブータンは世界でも有数の、幸福の国・平和の国です。しかしそうはいっても海外旅行。普段とは異なる環境に身をおく上で、現地の文化や生活に関してある程度の知識を持っていくことがあなたのご旅行の助けになります。文化の違いは時に大きな問題にも発展しかねませんので、そうならないためにもこちらで事前知識をおさらいしましょう!お客様に分かりやすいように、予約をしてから、出発、帰国までの流れの中で解説していきます!
目次
1.予約をしてから出発まで
1-1 旅行会社を選ぶ
【公定料金】
ブータン旅行で珍しいもののひとつ、それは『公定料金』の存在です。公定料金はブータン王国が1970年からとり続けている観光政策で、ホテル代、食事代、専用車代、ガイド代がパッケージ代金として決まっています。公定料金には政府に支払うロイヤリティも含まれており、現地催行会社はこのロイヤリティを引いた金額でホテル代、食事代などを手配します。
★ブータン旅行は何でも自由にカスタマイズOK!★
ブータン旅行は公定料金が決まっていると紹介しましたが、実際の旅行の際はその料金に観光地の入場料なども含まれているため、いつどうやってどこに行くかというのもお客様の自由にカスタマイズが可能です!ホテルに関しても、スタンダードクラスのホテルであれば公定料金の中で自由に選択可能なので、もし希望のホテルがあれば手配を依頼している旅行会社に希望を伝えましょう。食事も基本的にはブータン料理のレストランですが、場合によっては洋食や中華料理などのアレンジも可能です(要追加料金)
1-2 パスポート、ビザを取得する
ブータン旅行の特徴の二つ目として、観光にもビザが必ず必要になるということです。また、通常ビザの取得となると、空港にて申請するか国内の大使館に言って申請するかということになるかと思いますが、あいにく日本にはブータンの大使館が存在しないため、ビザの取得もすべて旅行会社に一任する形になります。
ビザの取得に必要になるのが、【鮮明な顔写真付きページのパスポートコピー】になります。この鮮明なというのが意外とポイントで、FAXでコピーを送られる際は、顔写真の部分が黒くなってしまいますので申請にはご使用いただけません。また、コピーはカラーもしくは白黒のどちらでも構いませんので、できるだけ鮮明なコピーをお取りいただければ、後は旅行会社がすべて手続きを行ってくれるのでご安心ください!
※パスポートの有効期限は??
ブータン旅行の際は、ブータンご出発日を含めて6ヶ月以上の残存期間が必要になります。足りない場合は早めにパスポートの更新に向かいましょう!
1-3 持ち物を準備する
ブータンのホテルには基本的なアメニティはそろっていますし、食事や移動に関しても全く問題はありません。しかし、コンビニなどのお店事情はまだまだ乏しいのも現実で、日本にいる感覚で足りないものを買い足すことは出来ません。予め必要になるものを、実際にブータンを経験した筆者が徹底解説いたします!
●紙類・トイレットペーパー
ホテル内では困ることはありませんが、長距離移動のスケジュールがある場合は重宝します。
●ウェットティッシュ
砂埃や室内のほこりっぽさを感じやすいブータンでは、これがあるのとないのとでは全く違います。
●日焼け止め
ブータンは標高の高い国なので、その分だけ太陽に近いということでもあります。特に雲の少ない晴れた日には気づかないうちに日焼けしてしまったなんていうことも。気になる方は是非ご持参ください。
●酔い止め
ブータンの道路事情は近年急速に改善はされているものの、まだまだ道が粗い場所も多く存在します。そんな時、移動が1時間や2時間掛かる際などは車酔いをしてしまうこともあるかも知れません。実際にそれほど車酔いをすることのない筆者も酔ってしまいました...。念のため酔い止めを持参するとともに、滞在中は意識的に水分を摂取するようにしましょう。
●胃薬
ブータンの食事は観光客用に作られているとはいえ、普通の日本食から比べると辛いものが多く存在します。味としては美味しいので、ついつい食べ過ぎてしまった際には、慣れない辛さにおなかの調子を壊してしまうことも...。胃薬を持参して何かあればすぐに服用できるようにしておきましょう。
●予備の上着
ブータンは首都でさえも2,000mを超える高地に位置しているため、予想以上に朝晩が冷え込むこともございます。出発前に予想気温を調べていても、それよりも気温が上回ったり下回ったりすることもございますので、念のための上着(脱ぎ着のしやすい前開きのもの)を持参しましょう。
●ちょっとした日本食
これは人によって分かれますが、ブータン滞在が長期にわたる場合は持参した方がよいかなと思います。ブータン料理は、普段我々が口にしている食事とは大きく異なるものなので、最初のころは新鮮味があって美味しく感じていたものでも途中でマンネリ化し始め、日本食が恋しくなってくるでしょう。食事が楽しくないと折角のブータン旅行のテンションも下がってしまうので、もし気になる場合は、普段辛口にしている軽食や梅干、のりなどを持参してもいいでしょう。
●女性用衛生用品
足りなくなったからちょっとそこまで・・・が難しいブータン。ガイドが男性の場合、相談しづらいことを考えると、多めに持って行くと安心です。
2.現地で旅行中に気をつけるポイント
2-1 平和な国で忍び寄る影...
◯気をつけたいのは高山病
ブータンでは高山病に気をつけましょう。トレッキングをしないから関係ないと思っている方、要注意です。
ブータンの標高は高く、観光では約3,000m級の峠を車で通過したり、標高2,000m付近を歩いたりと、知らず知らずの内に身体に負担をかけてしまいます。 血中の酸素濃度が下がり、頭痛、めまい、吐き気や嘔吐などの症状が現れたら、高山病の危険があります。具合が悪くなったら我慢せずにすぐにガイドに相談するようにしましょう。またブータンには野良犬が多く、田舎に行くと野良犬が道路で寝ていたりといった光景はめずらしくありません。狂犬病にならないためにもむやみに近づかないように心がけて下さい。
◯十分な睡眠を
日々2,000~3,000mの標高を移動していると、無意識のうちに身体は疲れてしまいます。翌日元気に行程をこなすために必要なこと、それは、睡眠時間をたっぷりと取ること。旅行はついつい夜更かしをしてしまいがちですが、長距離移動や気候の変化、そして辛い食べ物に疲労困憊の身体は、ゆっくりと休ませてあげましょう。
◯水分補給はこまめに・沢山
ブータンのホテルには毎日無料のミネラルウォータが1本ございますので、簡単な高山病予防法として、水分をこまめに取ることをおすすめします。地方へ行けば行くほどトイレ環境が悪く、トイレを我慢したくなる気持ちはわかりますが、体調を崩してしまっては折角の旅行が台無しに。青空トイレが無い時は道中の民家などでトイレを貸してもらうこともできますので、水分補給は意識してしっかりととるようにしましょう。
◯アルコールは控えめに
夜はブータン人とブータンのビールで乾杯!!・・・すごく楽しそうですが、お酒の量、大丈夫ですか?
アルコール摂取量のコントロールも大事な高山病予防のひとつ。ここはブータン、標高の高さが違えば体調も変化します。普段日本で飲んでいる量をそのまま飲んでしまうと、楽しい旅行が苦しい耐久レースになってしまう・・・かも。お酒の量はほどほどに、自分の身体と相談をしながら量を調節するのが良いでしょう。
2-2 現地で役立つ豆知識
●現地の言葉で挨拶してみよう
海外旅行の醍醐味の一つに、見知らぬ土地で現地の人々と現地語で交流することです。といっても、ブータンでは何語が話されているのか、いきなり「ブータン語」なんて難しそう...という声もあるでしょう。以下のリンクから、ブータン旅行で使える現地会話集を簡単にまとめてありますので、ご旅行の前にご確認ください!
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●仏教文化のタブー・しきたりを知ろう
実はブータンはとても敬虔な仏教の国。街中を歩くだけでいたるところに、マニ車(中にお経が入った回し車)を見つけることが出来ますし、メモリアルチョルテンなどには毎日のようにお祈りに訪れる人々がいらっしゃいます。そんな中で、現地でのしきたりや文化を知らずに行動してしまう、現地の方から反感を買うだけでなく、厳重に注意を受けてしまうことになりかねません。折角のご旅行を台無しにしないためにも、最低限以下のポイントには注意しましょう。
①マニ車や仏塔などお参り・お祈りをする際は【時計回り】に歩く(回す)
チベット仏教でも、宗派によって異なりますが、ブータンでは仏塔(チョルテン)やマニ車は右回りに回ります。右回り、即ち時計回りに回る理由は諸説あり明確な答えが分からないのですが、この方向は最低限覚えておきましょう。ティンプーにあるメモリアルチョルテンを訪れてみると、仏塔を周囲にはお祈りに訪れた沢山の人々が時計回りに仏塔を回っており、また更にその外側にはミニチュア版マニ車を手に持ち、一日中回しているようなおじいちゃんおばあちゃん達が座っています。
ものめずらしい光景についつい写真を取りたくなるかもしれませんが、相手もごく普通の一般人なので、写真をとる際は一言お声掛けをしましょう。
②すべてのゾンや宗教建築物の内部では原則的に撮影禁止
ブータン旅行のハイライトといえば、各地域の中心地となっている「ゾン」や各種寺院を訪問することでしょう。しかし、敬虔な仏教国であるブータンでは、お寺やゾンを訪れる際は、日本でおまいりをする際よりもかなりマナーには厳しいです。その際に観光客が特に注意すべきなのが撮影禁止の場所についてです。
見事な装飾に見とれていると、ついつい標識など見落としてしまうこともあるかと思いますが、基本的に建物内部は撮影禁止となっており、そのほかの中庭や外観などは撮影してもいいことになっています。特にフラッシュなどは建物自体を傷つけてしまう一因にもなりかねないので、訪れる際は十分に注意しましょう。
③ゾンを訪れる際は服装に注意!
②では詳しく触れませんでしたが、各地にあるゾンというのは、ブータンにおいて最も重要な意味を持つ建物であり、宗教と政治の中心地といえる場所になります。代表例としては、首都ティンプーに位置する【タシチョ・ゾン】、ブータンの玄関口パロに位置する【パロ・ゾン】、古都プナカに位置し国内で最も壮麗なゾンと言われる【プナカ・ゾン】などがございます。
現地の人々やガイドは普段から民族衣装を着ていますが、ゾンを訪れる際はカムニ(女性はラチュ)とよばれる布を体にまといます。それほどゾンは神聖な場所であり、観光客であっても服装には注意を払わなくてはなりません。具体的には、肌の露出は基本的にNGになりますので、男性で言うと半ズボンやジーパン、女性も肌の露出のある服装はなるべく避けるようにしましょう。
おわりに
ブータン王国到着後から出発まで、お客様は常にドライバーとガイドと一緒に行動します。何から何までガイドがお客様をアシストするので、言うならば王様気分で旅行が出来てしまうのがブータン旅行の特徴です。その一方で、観光客が守らなければいけない「ルール」も存在します。敬虔な仏教国のブータン王国では、観光地である寺院やゾンで厳しく参拝のルールが決められている所が多くあります。寺院・ゾンでの参拝のルールを事前に学習しておくこと、ガイドの言うことをよく聞くことが安全で快適なブータンの旅を実現するポイントとなります。ブータン王国への旅行を控えている方は、是非基本情報を読んでみて下さいね。