沖縄の国内最大サンゴ礁、半分以上が死滅、97%が白化
サンゴの56%が死滅
環境省那覇自然環境事務所は9日、沖縄県の石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」(せきせいしょうこ)で発生している大規模な白化現象についての調査結果を公表した。
今回の調査結果によると、少なくとも一部白化したサンゴが97%に達し、死滅しているものが56%に上っている。
白化とその原因
白化とは、サンゴと共生する植物プランクトンである褐虫藻(かっちゅうそう)が抜け出して、サンゴの骨格が透けて白く見える現象である。短期間なら元の状態に回復するが、長期間続くとサンゴは死滅する。
今回の白化は、地球温暖化などで海水温の高い状態が続き、サンゴの中に生息して栄養を補給している褐虫藻が失われたことが原因とみられている。
前回調査結果と今回の比較
白化に関する調査は、石西礁湖内の水深2メートルから7メートルの35地点で実施されている。7月下旬~8月中旬の前回調査では、白化は全体の89%で確認されたものの、死滅は5%にとどまっていた。
今回公表された9月29日~10月4日の最新調査結果では、「全体が死亡」は56.1%と割合が大幅に上昇している。
また「全体が完全に白化している群体」23.1%、「一部白化・一部死亡、全体的に色が薄い群体」17.2%で、死滅した分を合わせると、調査地点の97%で白化が確認され、約4カ月の調査で、さらに白化が進んでいることが判明した。
今回の要因と今後の見通し
石垣自然保護官事務所は「6月から9月上旬にかけて海水温が30度を超える状況が続き、白化現象が進行して死滅した群体が増加した」と分析している。
沖縄気象台によると、石垣島と西表島が属する八重山地方周辺の今年6~8月の平均海面水温は30.1度で、気象衛星で観測を開始した82年以降で最高となっていた。今年春に終息したエルニーニョ現象や地球温暖化の影響を受け、沖縄周辺海域の海水温も高い状態が続いたとしている。
また環境省は、完全に白化した23%のサンゴについても、今後多くが死滅すると予想している。事務所の担当者は「全体的に白化が進んだ状態で、短期間での回復は厳しい」と話している。
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