沖縄各地で開催される一大イベント【沖縄の綱引き】
「沖縄の綱引き」は陰暦の6月から8月を中心に沖縄各地で行われます。五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄を願う農村の行事を由来とする伝統的な祭りで、起源は地域によって300~480年程前にさかのぼります。
現在でも県内100か所以上で伝承されており、7月から10月にかけて各地で開催されています。1994年には国の無形民俗文化財に指定されました。
ギネス認定「世界一のわら綱」を引く「那覇大綱挽」
県内最大規模の綱引きは、「那覇大綱挽(なはおおつなひき)」です。発祥は琉球王朝時代の1450年頃。国を挙げた祭りとして行われました。伝統に従い、現在でも綱は東西に分けられ、東は雄綱で男性が、西は雌綱で女性が引くことになっています。
ギネスにも認定された大綱は全長200メートル。直径、1.58メートル、重さ40トンの巨大な綱です。この綱を引き手が中心地点まで運び、中心で綱をつなぎ合わせます。続いて伝統打楽器の音と「ハーイヤ」という大きな掛け声が飛び交い、勝負が始まります。
「那覇大綱挽」は毎年10月、体育の日の3連休に国際通りで行われます。期間中は民俗芸能団体や市民大体によるさまざまなステージイベントも開催されます。綱引きの開始前には、各町に受け継がれる旗頭を掲げた行列も行われます。
「三大綱引き」与那原・糸満のみどころ
那覇に次ぐ三大大綱引きとして、与那原と糸満の綱引きが有名です。
「与那原大綱曳き」は、本島東部の島尻郡与那原町で行われます。五穀豊穣、子孫繁栄などを祈る地域の祭りとして400年以上前にはじまりました。綱引きの合図がなく、東西の綱が結ばれた瞬間に引き合いがはじまるのが特徴です。
使用する綱は約90メートル、重さは約5トン。旧暦の6月26日以降の日曜日、7月末頃の週末に開催されています。
「糸満大綱引き」は本島南部の糸満市にて、旧暦8月15日に行われます。五穀豊穣、大漁祈願、無業息災などを祈念するもので、勝負の結果で吉凶を占うのが伝統となっています。
使用する綱は雄綱・雌綱合計180メートル、直径約1.5メートル、重さ約10トン。これを綱引きの当日につくるのが糸満の特徴です。会場となる国道331号の一部は朝から交通規制され、県内最大級の2本の綱がつくられます。
糸満大綱引きは「衆人綱(スニンジナ)」、「万人綱(マンニンジナ)」とも呼ばれ、誰でも参加できるイベントとなっています。
地域の特色豊かな宜野湾市の大綱引き
本島中部の宜野湾市・大山地区と真志喜地区の大綱引きは、大綱を高く持ち上げて押し合うという、めずらしい手法が受け継がれています。これは「アギエー」と呼ばれ、この地域でしか見られないものです。
アギエーでは円環状の飾りがついた先端を棒で持ち上げ、相手より高く上げて押し合います。綱が地面に落ちた方が負けというルールです。アギエーの後、通常の綱引きも行われます。綱の重さは約3トン。ホラ貝や太鼓が鳴る中、綱が激しくぶつかり合う迫力ある勝負です。
「大山大綱引き」「真志喜大綱引き」は、旧歴6月15日前後の日曜に開催されます。
観光客も参加できる大綱引き
大綱引きは地域の伝統行事ですが、観光客も参加できます。「那覇大綱引き祭り」では綱引きを目的に、県内だけでなく国内外から観光客が集まり多くの人々が綱を引いています。
受け付けなどはなく、その場で綱に近寄れば参加できますが、異様な盛り上がりを見せる現場ではケガなどに十分な注意が必要です。また、当日は国道58号線が交通規制により通行止めになるため、余裕を持ったスケジュールをたてる必要があります。
2016年は10月9日に開催、約28万人が現地に詰めかけました。市民団体などによるパレードも行われ祭りを盛り上げました。綱引きには約1万5000人が参加。30分の熱戦を繰り広げ、今年は西側が勝利をおさめました。
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