知られざる沖縄の世界遺産群
沖縄の世界遺産群
沖縄には、観光スポットは数多くあるが、実は世界遺産もあるというのはご存知だろうか。朱色の建物が美しい首里城も世界遺産の1つだ。世界遺産だとは知らずに観光に行ったという人も多いのではないだろうか。
2000年にユネスコの世界遺産に登録されたのは、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」。首里城をはじめとする9つの文化遺産が世界遺産に登録された。
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」という分かりにくい名前がついているため、少し解説しておく。「グスク」というのは漢字で表すと「城」となる。つまり、琉球王国時代の城跡とその関連遺産ということだ。城跡は5つあり、首里城を除けば沖縄の中北部に集中している。そして、その他4つの世界遺産は南部にある。
世界遺産を巡る
9か所ある「琉球王国のグスク及び関連遺産群」だが、南は南城市から北は今帰仁までと、その距離はずいぶんと離れている。もしすべての世界遺産群をまわろうと考えているなら1日では難しい。最低でも2日は見ておいた方がいいだろう。南部と中北部に分けて見学するのがまわりやすいのではないだろうか。
南部にあるのは、斎場御嶽(せいふぁうたき)、識名園(しきなえん)、首里城跡(しゅりじょうあと)、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、玉陵(たまうどぅん)の5つ。その中でも、首里城跡と園比屋武御嶽石門、玉陵はほぼ同じ場所にあるため、1度に見学することができる。
首里城跡(しゅりじょうあと)
首里城跡は、言わずと知れた沖縄屈指の観光スポットだ。首里城の周りは公園になっており、敷地が広いため本殿に着くまでは結構な距離を歩くことになる。途中、石畳や足場の悪い場所もあるため、歩きやすい靴で行くことをおすすめする。
首里城の見どころは何といってもその美しい建物だ。晴れた日には、沖縄の抜けるような青空と朱の建物のコントラストに目を奪われることだろう。琉球王国時代は中国との国交が盛んだったことから、中国文化の影響も強く受けており、その独特の色使いや装飾は興味深い。日本本土の建築とは全く違うその雰囲気を楽しんでもらいたい。
園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)・玉陵(たまうどぅん)
首里城を見学した後には、園比屋武御嶽石門を見に行くのがいいだろう。2千円札にも描かれている守礼門を抜けた先にある園比屋武御嶽石門は、石造りの礼拝所だ。道中の安全祈願にご利益があるというこの礼拝所で、琉球の歴史を感じながら、沖縄旅行の安全も祈願していくのもよい。
近くにあるもう1つ世界遺産に、玉陵がある。首里城から徒歩5分ほどの場所にある玉陵は、琉球王朝の王家の陵墓として建てられたものだ。玉陵は国指定記念物史跡にも指定されている。
識名園(しきなえん)
首里城から少し南下した所に、識名園がある。琉球王家の別宅として造られた識名園は、緑も多く散策するにはぴったりの場所だ。展望台である勧耕台(かんこうだい)から眺める景色も一見の価値ありだ。
琉球時代には、中国からの使者をもてなす館としても使用されたこの識名園だが、今もその美しい庭園や池などは色あせることはない。
斎場御嶽(せいふぁうたき)
識名園からさらに南へ下ると、昨今のパワースポットブームで一躍有名になった、斎場御嶽がある。世界遺産というよりは、神聖な力の宿る「聖地」として知られることのが多いのではないだろうか。
一時期は、訪れる人の多さに入場規制も検討されたほどの人気のスポットだ。沖縄の他の世界遺産群とは少し趣の違うここでは、歴史の重みだけでなく、聖地としての厳かで神聖な雰囲気を味わってみてほしい。
今回は、南部に集まる世界遺産群を中心に紹介したが、中北部には城跡が集中している。今帰仁城跡、座喜味城跡、勝連城跡、中城城跡だ。城跡とはいえ、ほとんど城壁のみで建物はないが、その佇まいに歴史を感じることができるだろう。近くに行った際には、日本の城とは違う、琉球の城をぜひ感じてみてほしい。
出典:ウィキメディア・コモンズ (Wikimedia Commons)
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