沖縄料理にかせない、島腐って
沖縄では、あたまに「島」をつけると「沖縄の」という意味になる言葉が多くあるといいます。島人(しまんちゅ、沖縄県人)は有名になりましたが、他にも、島酒(泡盛)、島唄、島唐辛子、島人(しまんちゅ、沖縄県人)などいろいろあります。
で、島豆腐です。別名「沖縄豆腐」。どんな豆腐なのでしょう。島豆腐の正体に迫ってみたいと思います。
島豆腐とは
沖縄に行って、料理に用いられている島豆腐しか目にしたことがないのなら、「堅い豆腐だな」という印象しかないかもしれません。でも、沖縄のお店で売られている島豆腐を目にすれば、「堅い」の他にもう二つ島豆腐を形容する言葉が浮かびます。
それは、「でかい」と「重い」。大きさは普通の豆腐の3倍以上、重さは800gほどもあるといいます。また、売り場では温かいままで売られているものもあります。これを「あちこーこー」というのだそうです。あつあつ、のことですね。
沖縄では、豆腐はできたての温かいままで販売するのが普通でしたが、本土復帰後は食品衛生法が適用され、豆腐は水にさらして販売しなければならないことになりました。
しかし、沖縄の食文化維持を掲げて陳情した結果、特例として温かいままで豆腐を販売することが認められたのだとか。
島豆腐は、普通の豆腐より大豆の風味が豊かだといわれます。これは、大豆をすりつぶしてから豆腐ができあがるまでのプロセスに、普通の豆腐とは若干の違いがあり、その違いが島豆腐独特の豊かな大豆の風味を生むといわれています。
島豆腐の作り方
島豆腐の作り方は、普通の豆腐と製造プロセスに若干の違いがあると書きました。どこが違うのでしょうか。
豆腐を作るには、まず、大豆を水につけて柔らかくしてすりつぶします。どろどろになったこの状態を「呉汁(ごじる)」といいます。
呉汁から豆乳を作り、にがりを加えて固めるのですが、豆乳を作る段階のどこで熱を加えるかが、普通の豆腐と島豆腐の製法で最も異なるところなのです。
普通の豆腐は、先に呉汁を煮てから豆乳を絞ります。これを「煮絞り」または「煮とり」といいます。これに対し島豆腐は、熱を加える前の呉汁から豆乳を作ります。これを「生絞り」といいます。
加熱前の呉汁は「煮絞り」と比べて、おからと豆乳が分離しにくく、絞る際にかなりの労力を必要とし、歩留まり劣りもます。その反面、低温で絞るため、まずさの原因となるイソフラボノイドやサポニンの抽出を押さえられる利点があるといいます。
豆乳ができた後は、にがり(昔ながらの製法の場合は海水)を加え、型に流し込んで重しをのせて水分を抜くと島豆腐ができあがります。
島豆腐のおいしい食べ方
沖縄では、島豆腐はチャンプルーの材料として用いられるのが最も多い、という調査結果があるそうです。堅くて、炒めても形が崩れにくいのでさもありなんというところでしょうか。
堅いのが身上の島豆腐ですが、にがりを入れて固まり始めたふわふわの状態を「ゆし豆腐」といい、醤油をかけてそのまま食べるのがおすすめです。
珍しいところでは、スクガラスという塩漬けの小魚をのせただけのスクガラス豆腐という食べ方もあります。泡盛のお供として抜群の相性の良さを誇ります。
「スク」とはアイゴという魚の稚魚のこと、「カラス」は塩漬けという意味。沖縄では、頭を下に向けてみごとに並べて瓶詰めにされて販売されています。
島豆腐の取り寄せ・通販、お土産
島豆腐は、沖縄でできたてを食べるのが一番ですが、これが許されるのは沖縄に住んでいる人だけです。沖縄以外の人は、通販で取り寄せましょう。
楽天市場などのショッピングサイトで「島豆腐」を検索するといろいろ出てきます。もちろん沖縄の豆腐店で通販をしているところもあります。インターネットでいろいろ検索してみるのも楽しいですよ。
沖縄で島豆腐の魅力にハマってしまった人向けには、しっかりパックされた島豆腐が売られているので、お土産として持ち帰ることもできます。ただし、島豆腐は堅い、とはいえやはり豆腐なので、つぶしてしまわないようご用心。
まとめ
堅くて大豆の香り豊かな島豆腐。沖縄に行ってチャンプルーを食べるときにはぜひ豆腐に注目して食べてみてください。家でゴーヤーチャンプルーを作るときには、普通の豆腐ではなく、島豆腐を取り寄せて作りましょう。
(画像は写真ACより)
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