産業革命を知る 九州の世界文化遺産を巡る
九州の世界文化遺産とは
世界遺産は屋久島が有名ですが、2015年に登録された、「明治日本の産業革命遺産」とは、幕末の西洋技術の導入から国家が推し進めた製鉄、製鋼、造船、石炭産業の近代工業化を示す資産のことです。岩手県から鹿児島県までに所在する23遺産のうち、九州では5県が資産を有していることでも注目されました。日本における産業革命の歴史を垣間見ることのできる、九州の世界遺産をご紹介します。
八幡エリア
・官営八幡製鐵所
赤レンガが印象的な事務所、現在も稼働している修繕工場、旧鍛冶工場があります。すべてが現在も使用されているため、中に入ることはできません。事務所を外観から見ることができる、官営八幡製鐵所旧本事務所眺望スペースが利用できます。
住所:北九州市八幡東区大字尾倉他
アクセス:JR鹿児島本線スペースワールド駅より徒歩約10分
・遠賀川水源地ポンプ室
八幡製鉄所の鋼材の生産量の増産に合わせて建設されたポンプ室で、イギリス積みの赤レンガの建物は今も健在で現役稼働中です。こちらも中に入ることはできません。
住所:中間市土手の内1-3-1
利用料金:無料
アクセス:JR筑豊本線・筑前垣生駅から徒歩約25分、またはタクシーで約7分
三池エリア
・三池炭鉱と三池港
三池炭鉱の発展の歴史が残る大牟田市では、三池炭鉱宮原抗、三池炭鉱万田抗の炭鉱遺構、専用鉄道敷跡、大型船の寄港を可能にした三池港が一連の施設として登録されています。
・三池炭鉱宮原抗
住所:福岡県大牟田市宮原町1丁目86-3
アクセス:西鉄バスで大牟田駅から勝立方面へ早鐘眼鏡橋下車、徒歩約10分
・三池炭鉱万田抗
住所:熊本県荒尾市原万田200番地2(万田坑ステーション) go入館料:万田坑跡:大人410円、高校生300円、小・中学生200円
万田坑ステーション:無料
アクセス:民間バス停、万田公園前から徒歩で約5分
・三池炭鉱専用鉄道敷跡
見学できる場所:鉄道敷きは、宮原坑跡の横の橋から俯瞰が可能で、諏訪川には鉄道専用の橋梁が残っています。
アクセス:宮原抗は大牟田駅から車で約15分
・三角西(旧)港
石炭の積出港として整備された港で、日本で唯一現存する湾岸施設です。
住所:熊本県宇城市三角町三角浦
アクセス:JR三角線・三角駅で下車、産交バス三角営業所(TEL 0964-52-3135)で乗車。「三角西港前」バス停で降車。所要時間は約10分
佐賀エリア
・三重津海軍所跡
幕末に佐賀藩・鍋島直正公が作ったドライドック(船の修理、造船に使うドック)の跡地。佐野常民記念館でその歴史や文化を学ぶことができます。
住所:佐賀市川副町大字早津江津446-1
アクセス:有明佐賀空港より車で約10分、
佐野常民記念館入口バス停を下車し、徒歩で約5分
長崎エリア
・小菅修船場跡
蒸気機関を動力とする、曳き揚げ装置が設置された修理用ドッグ。
住所:長崎市小菅町5利用
料金:無料
アクセス:バス停の小菅町を下車し、徒歩約5分
・三菱長崎造船所第三船渠
大型乾船渠(ドライドック)で、今も現役のドッグ。非公開です。
・三菱長崎造船所 ジャイアント・カンチレバークレーン
日本で初めて建設された電動クレーンで、現在も稼働中、非公開。上記の2つは軍艦島の観光ツアー、クルーズなどで海上からの見学は可能です。
・三菱長崎造船所 旧木型場
鋳物の木型を作る工場。長崎造船所に現存する最古の建物で、現在は史料館となっています。
住所:長崎市飽の浦町1-1
アクセス:長崎駅前から予約した時間帯のシャトルバスで移動
・三菱長崎造船所 占勝閣
長崎造船所の所長宅として建築されましたが、皇族や貴賓を迎える迎賓館として現在も使用されています。ここからの眺望の素晴らしさから、占勝閣の名前がつけられました。非公開。
・高島炭坑
塩作りの燃料として使われた炭を採炭していた炭鉱。現在は跡地のみです。
住所:長崎市高島町99-1
アクセス:循環バス「本町」下車徒歩約1分
・端島炭坑
軍艦島で知られ、要塞のような人工島に残る遺構。現在は無人島で、見学ツアーで上陸可能。
住所:長崎市高島町字端島
・旧グラバー住宅
日本に現存する最古の洋風木造建築で、貿易や炭鉱、三菱など日本と関わりの深かったグラバー氏の邸宅。中で当時の資料や調度品が見学可能。
住所:長崎市南山手町8-1
アクセス:大浦天主堂下を下車し、徒歩約8分
鹿児島エリア
・旧集成館
薩摩藩主・11代島津斉彬公が作ったガラスや紡績工場、研究所など一連の事業所の関連施設。19代島津光久の築いた仙巌園内にあり、仙巌園すべてが指定を受けています。
住所:鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
アクセス:児島中央駅から車で約20分
・旧鹿児島紡績所
洋式紡績工場の技術者宿舎で、12代島津忠義が技術指導のためイギリスから招いた技師の宿舎として建設されました。異人館という名前でも親しまれています。
住所:鹿児島市吉野町9685-15
アクセス:鹿児島シティービュー仙巌園前下車、徒歩2分
・寺山炭窯跡
集成館の反射炉の熱源に利用された炭を、製造していた炭焼窯の跡地。
住所:鹿児島市吉野町10710-68
アクセス:鹿児島中央駅から車で約45分
・関吉の疎水溝
集成館事業のため11代薩摩藩主島津斉彬が建設した関吉の疎水溝。
8kmにわたる水路により、仙巌園に水が引かれ、水車動力の源となりました。
住所:鹿児島市下田町1263の先
アクセス情報:鹿児島中央駅から車で約40分
今も息づく日本の産業遺産
多くの遺産が残る九州では、今もその技術が受け継がれています。これらの遺跡群をいっぺんに回るのは大変ですが、観光旅行の足をちょっと伸ばして行ってみませんか。
(画像は写真ACより)
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