うどんではなくそば!?夕張の名物、カレー蕎麦!
北海道・道央に位置する夕張市。現在は夕張メロンを生む土地として有名ですが、以前は炭坑で栄えた町でした。夕暮れ時になると、あちこちから漂ってくるおいしそうな香り。お腹を減らした炭坑夫たちのために、温かい夕飯を作る食堂やラーメン屋で賑わう場所でもありました。
その中でもとくに愛されたメニューは「カレー蕎麦」。日本食と異国の味をかけ合わせた不思議な一品です。この記事では蕎麦のおいしさの秘密とグルメに人気の店をご紹介。味にうるさい炭坑夫たちを納得させたソウルフード、「夕張カレー蕎麦」について書いていきます。
「カレー蕎麦」が誕生したのは、地元の蕎麦屋「藤の家」。カレーがどんぶりの縁までなみなみと注がれた蕎麦は、炭坑夫たちの空腹と疲れを癒やし、たちまち人気のメニューとなりました。炭坑閉山後も変わらぬ人気のお店でしたが、「藤の家」は2007年に閉店。その味を惜しむ人たちは多数いました。
その後「藤の家」の味を受け継いでいこうと夕張カレー蕎麦協議会が結成。ついには市内の飲食店の人たちによって伝統の味が復活しました。現在、カレー蕎麦を提供している店は7店舗ほど。元祖の味をもとに独自のアレンジを加えたおいしい蕎麦を食べることができます。
カレー蕎麦のおいしさには3つの秘密があります。1つ目の秘密は和風仕立てのあっさりスープ。出汁、しょうゆ、刺激のある香辛料が三位一体となり、滋味深いスープの味を作っています。
2つ目は中に入っている具材。豚肉とネギだけのシンプルな具材が特徴です。豚肉の脂の甘さ、そしてネギからも滲む特有の甘さがスープに溶け込み、味わいに丸みと奥深さを加えています。
3つ目はトロトロのスープ。水溶き片栗粉でとろみをつけたスープにはカレーの香辛料と出汁の風味が絶妙なバランスで溶け込んでいます。細い麺にとろみスープがたっぷりと絡み、一口一口の満足感が違います。
パキッとした黄色の壁が目立つ「栗下食堂」は、3代続く老舗のお店。もとはラーメンを専門にしていたお店なのですが、まかないで食べていたのはカレー蕎麦。「藤の家」の閉店後は夕張のおいしい味を伝えていくため、正式なメニューに追加されました。
ここのカレー蕎麦は代々受け継がれてきた秘伝の味と手打ちした蕎麦麺が自慢です。運ばれてきたどんぶりを見ると黒々としたスープに覆われ、肝心の麺が見えません。食べてみると濃い目の色とは裏腹に味はあっさり。豚バラ肉の脂の旨味と玉ねぎの甘さが味に丸みをつけています。
住所:北海道夕張市紅葉山526‐6
カレー蕎麦を出すお店の中でもっともスープの多い店といっても過言ではありません。縁ギリギリまで注がれたスープは、どんぶりを少しでも傾けたらこぼれてしまうほど。
濃い目のスープから麺を引き出すと、トロトロスープに身をまとった細麺が顔を出します。具材は豚のバラ肉とくし切りにした玉ねぎのみ。にじみ出る甘さはしっかりした出汁の味ともマッチしています。かつて「藤の家」の味のファンだった人をも納得させるスープの味、最後はライスを入れて召し上がれ。
住所:北海道夕張市本町4‐54
ラーメン屋、揚げ物屋が立ち並ぶ「ゆうばり屋台村」。ここの一角にあるお店、「鹿の谷3丁目食堂」もおいしいカレー蕎麦を提供しています。
タプタプのカレースープの中には、やわらかめの麺と豚肉と玉ねぎ。熱いスープが跳ねるので、はしで慎重にすくっていただきましょう。お腹に余裕があるのなら雑炊を作ってみてはいかがでしょうか。残ったスープに卵とご飯を入れればスープを最後の一滴まで楽しめます。
住所:北海道夕張市末広1丁目81
あっさりとしたトロトロスープが特徴の夕張カレー蕎麦。服に跳ねる黄金色のルーや、ネギの間に潜むアツアツスープに緊張しながら食べるのもまた一興です。ホッとできる料理が食べたい、そんなグルメにおすすめのソウルフードです。
(画像はphotoACより)
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