中世の城を思わせる建物!池田ワイン城で美味しいワインを飲もう!
ワインと日本そして十勝
ヨーロッパ大陸におけるワイン造りは数千年の歴史があるといいますが、日本におけるワイン造りの歴史は浅く、明治初期にブドウ産地として名高い甲府で始まりました。
その後、昭和初期にかけて品種改良など様々な努力が続けられてきましたが、本格ワインの味は日本人の食生活にはなじまず、甘い果実酒の原料ワインとしての生産が長く続いたといいます。
その後、日本人の食生活が変化し、高度経済成長以降の何度かのワインブームを経て、国産ワインの質は向上し、生産量も着実に増えていきました。現在では、山梨、北海道、長野、山形が主な産地となっています。
さて、北海道です。北海道のワインを代表する銘柄といえばやはり「十勝ワイン」でしょう。その産地である池田町にある池田ワイン城を訪ねてみることにいたしましょう。
十勝ワイン
昭和27年(1952年)、池田町は震度6の大地震に見舞われます。幾たびか発生している「十勝沖地震」のひとつです。翌年からは冷害による凶作が2年続き、町の財政は危機に瀕します。この危機を脱するために時の町長丸谷金保が目をつけたのが町内の山野に自生するヤマブドウでした。
自生しているのだから冬の厳しい池田町でもブドウの栽培はできる、町内に多い未利用の傾斜地もブドウ畑として利用できると考えたのです。
ゼロからのブドウ栽培とワイン醸造は並大抵の苦労ではなかったと思いますが、努力が実ってその後ワインの国際コンクールでたびたび金賞を受賞するまでに成長し、池田町を支える産業となったのです。
十勝ワインのブドウ
山梨や長野などのワイン主要産地で栽培されているブドウは、日本固有種の「甲州」、「マスカット・ベリーA」のほかは、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールなど、外国産ワインでおなじみのブドウが多いようです。
これに対して十勝ワインに用いられるブドウの特徴は、池田町内に自生するヤマブドウが主に用いられているということです。そして幸いなことに、このブドウは、後に良質なワインに適する「アムレンシス亜系」であることが判明するのです。
冬は酷寒となる池田町は本来、ブドウの栽培に適した土地ではありません。池田町は「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」を設立し、寒さに強い品種の開発と栽培方法改良に取り組みます。
これまでに交配したブドウは21,000種を超え、その中から現在十勝ワインの主要品種として用いられる「清舞」(きよまい)や「山幸」(やまさち)が生まれました。酸味のきいた辛口のワインができるといいます。
池田ワイン城
さきほど、池田町が「池田町ブドウ・ブドウ酒研究所」を設立したと書きました。事業主体は北海道池田町。代表者は池田町町長です。実は、これが「池田ワイン城」なのです。
「耐寒性醸造用ブドウの開発とワイン等酒類の製造販売等」を行う事業体なのですが、広大な草原にそびえる建物の外観はまるでヨーロッパ中世の古城のようです。
野外のブドウ園の見学から地下の熟成室まで、十勝ワインの製造工程を見学できるだけでなく、ショッピング施設も備わっています。もちろん、試飲や購入も可能で、十勝の食材をふんだんに使った料理で十勝ワインを楽しめるレストランもあるという、ワイン好きにはたまらない施設なのです。
屋上展望広場からは、広大な十勝平野の田園風景が、そしてはるか遠くには日高山脈の稜線という北海道ならではの大パノラマが望めます。
まとめ
道東観光の折には、北海道の大地にルーツを持つヤマブドウが醸し出す芳醇なワインを味わいに池田ワイン城を訪れてみてはいかがでしょう。
施設名
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(池田ワイン城)
公式ホームページ
住所
〒083-0002 北海道中川郡池田町字清見83-4
電話
015-572-2467
アクセス
JR池田駅までは、特急おおぞらで札幌から約2時間40分、自動車では、札幌ICから道東自動車道で約2時間50分です。帯広駅からは、十勝バス帯広陸別線で約1時間です。
(画像は写真ACより)
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