まりもは阿寒湖の美しさの象徴「まりも祭り」でアイヌの伝統に触れる
厳粛な雰囲気の中で「まりも」を守る祭り
釧路市阿寒湖畔では、10月8日(月)から10日(水)の3日間「まりも祭り」が開催される。
そもそもまりも自体がアイヌの中で神格化されていたわけでは無い。まりもは美しい水質の湖でしか発生する事が無く、まりもを祀るということはまりもが生まれた湖(阿寒湖)への畏敬・賛美とも言える。まりもは国の特別天然記念物に指定されており、何度も絶滅の危機に瀕してきた。その原因とされるのが盗採で、同祭りの始まりはアイヌの民がまりもを湖に戻してもらおうと1950年に行った「湖の神々に許しを請う儀式」と言われている。
この儀式は「迎え」「護り」「送り」と流れがあり伝統の衣装に身を包み古式舞踊を舞う姿は圧巻。
「迎え」「護り」「送り」それぞれの儀式
「湖の神々に許しを請う儀式」には、「迎え」「護り」「送り」という流れがある。
まりもを迎える儀式は、アイヌの青年が丸木舟に乗り阿寒湖岸の湖岸園地から湖へ天然のまりもを迎えに渡る。迎えられたまりもは、アイヌの長老に手渡される。長老を先頭に伝統の装束を身につけ、手にたいまつを持った行列が、約3キロ離れたアイヌコタンへと行進する。
アイヌコタンに着くと、まりもを守る儀式としてアイヌの土地に伝わる古式舞踊が始まる。
最後に、まりもを送る儀式が行われ、神々に祈りが捧げられる。迎えた時と同様に湖岸園地までを行進し、丸木舟に乗って湖上に出て、まりもをゆっくりと湖に還すのだ。
国の特別天然記念物「まりも」
美しい球状のまりもが群生して見られるのは、世界で唯一阿寒湖だけだ。国の特別天然記念物に指定さている阿寒湖のまりもだが、過去には絶滅の危機にさらされていた。
しかし、30年前から立ち入りを厳しく制限し、水の浄化に取り組んだことでまりもの生息数は回復した。立ち入りが制限されている場所では、阿寒の原生林が蓄えた伏流水がいたる所で湧き出ている。この澄んだ湖を絶えず浄化し、マリモが群生する環境が今も維持されている。
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