もしもの場合に備えた保険は必要?
旅行保険は入った方がいい
社員旅行では、旅行先でのけが、宿泊先や観光先で物品の破損、そして盗難など、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。
そんな時に役立つのが旅行保険です。正式名称は「国内旅行傷害保険」といいます。各保険会社が出している保険で、団体で申し込めるものもあれば個別で申し込むものもあり、掛け金や保障内容も保険会社によってさまざまです。
ですがどの保険会社のものでも、旅行先での事故やけが、他者への損害や他人の物品の破損、盗難や携行品の破損、そして旅行先でのけがや病気による長期入院などに対して保障をしてくれています。
誰がどんなトラブルに見舞われるかが分からない団体旅行ですから、万が一に備えて保険に入っておくと安心です。
掛け金は保険会社や保障内容にもよりますが、1泊2日で一人あたり500円ほどから加入できるものもありますので、予算的に問題がなければ加入しておくことをおすすめします。
ちなみに、社員旅行中にけがをして治療を受けた場合は、旅行の目的が観光や慰安で、業務中のけがとは認められないと判断されることが多いので、労災が認められないのが一般的です。こうしたことからも、保険に入っておいた方が良いといえるのです。
海外旅行も保険がある?
盗難などの被害は海外の方がリスクが高いですし、けがや病気で現地の病院を利用するとなると、かかる費用は国内の比ではありません。
ですから社員旅行で海外に行く場合にこそ、保険の加入はおすすめします。
年に1度、もしくは数年に1度といった頻度で行く社員旅行なら、保険は基本的には個人単位での申し込みとなります。ただ、中には10人程度までなら団体での申し込みが可能な保険会社もありますので、検討してみると良いでしょう。
また、社員旅行以外に、出張や研修で頻繁に海外へ行くような会社であれば、企業包括契約を結んでおくことで事務処理がスムーズに行われたり、保険料の割引が適用されたりといったメリットを享受することができます。
この企業包括契約は、年間に海外に行く社員数が一定数以上必要になるなどの条件がありますが、それらの条件に該当する会社は検討してみると良いでしょう。
保険料は保障内容な滞在日数によって異なるだけでなく、渡航先によっても変わってくる場合があります。複数の保険会社を比較検討してより内容が良いものを選ぶようにしましょう。
経費処理はどうすればいい?
団体申し込みだけでなく、一人一人に保険を掛けた場合であっても、社員旅行にかかる経費の仕訳は、勘定科目「福利厚生費」で処理するのが一般的です。
ただし、社員旅行を福利厚生費で処理するには社員旅行の目的が慰安旅行である必要があります。社員旅行と慰安旅行の違いは、社員の労をねぎらう目的であるのが慰安旅行、研修等何かしらの目的を持って行うのが社員旅行とされており、慰安旅行として福利厚生費で処理するには下記の3条件があります。
参加人数が社員の半数以上であること。宿泊日数が4泊5日以内であること。旅行費用の会社負担額が少額(概ね一人あたり10万円以内)であること。
これらの条件を満たしていれば福利厚生費となります。海外旅行であってもこれらの条件をクリアしていれば、保険料も福利厚生費として処理できますが、海外となると経費や日数がかさむことが考えられます。
そうなって福利厚生費で処理できない場合には、勘定科目は「保険料」などで処理をすることになります。また、もし慰安目的の旅行に一部研修等を含んでいるのであれば、その旅行のどの部分が福利厚生費として処理できるかは会計士や税理士等に確認する必要があります。
税務調査等で指摘を受けないよう、適切な勘定科目で処理してください。
(画像は写真ACより)