特徴的な新人研修にはどんなものがある?
過酷な環境に耐える研修
特徴的な研修の代表的なものといえば、過酷な環境に身を置く研修です。
軍隊さながらの過酷な環境に身を置き、体力や精神力、忍耐力や根性などを鍛えることを目的としており、学生から社会人になった新入社員への洗礼ともいえるプログラムが組まれます。
例えば新入社員が全員無人島へ連れて行かれ、地図や探検のために必要最低限の道具を渡されて、制限時間内にゴールを目指すという研修。見知らぬ土地で最低限のアイテムのみを頼りに、限られた時間の中でゴールを目指す、まさに頭と体をフルに使わなければいけない研修です。
ほかにも、自衛隊研修という、その名の通り自衛隊の訓練を行う研修があり、敬礼や隊列行進といった自衛隊特有の訓練や、腕立て伏せや腹筋などの筋トレなど、まさに心と体を鍛える研修などもあります。
過酷な環境に身を置く研修というのは、体力がつくだけでなく、苦しい研修をみんなで行うことで一体感や連帯感を得ることができ、新入社員の結束力が高まることも期待できます。
そして何より、試練に耐えたあとの達成感を得られることができます。その感覚は仕事で苦境に立たされた時の精神的支えにもなり得るというメリットもあります。
異業種に挑戦する研修
先ほどご紹介した自衛隊研修もそうですが、ほかにも、幼稚園研修など本来の業種とはまったく関係のない業種での研修を行う会社があります。
新入社員の多くは興味のある業界については良く調べているでしょうから、当然入社した会社や関連する業種についての知識はあるでしょう。ですから、研修ではあえてまったく異なる業種での仕事をさせることで、別の視点や新たな発見をしてもらうことで視野を広げることを期待します。
例えば幼稚園研修では、実際に幼稚園へ行き、先生として子どもたちと触れ合うことが研修のプログラムに組み込まれています。場の空気を読んだり人の顔色をうかがったりすることのない幼児との触れ合いは、想定外の出来事が起こることもあります。
そうした時にいかに冷静に、臨機応変に対応できるか、問題を解決するにはどうしたら良いのかを考えるという経験ができます。
また、コミュニケーション力、語彙力の未熟な幼児を相手にすることで、自分のことを分かってもらうのではなく、相手を分かろうとする姿勢も身につきます。そして元気いっぱいの子どもの相手に飽きずにバテずに付き合うという根性と精神力も養われるのです。
異業種の研修は仕事上なかなか接する機会のない人たちと接することで新たな視野を持つことを可能にします。そしてその業界、そこで働く人たちが自分の仕事や生き方にどうかかわるのかを考える良い機会となります。
それらを学ぶことで、自分のいる場所と一見まったく無関係の場所でも何かしらのつながりがあり、学ぶべきことがあるのだということが分かれば、仕事をする上でも柔軟な頭で物事を考えることができる人材になります。
自分の殻を破る研修
ドラマジック研修や漫才研修など、自分の殻を破り、コミュニケーション力をアップさせることを目的とした研修があります。
とてもユニークな研修で、演じることにより人を引きつけたり自分をアピールしたりという機会を得ることができます。
視線や言葉遣い、間の取り方などの表現力、即興で何かを演じる応用力や対応力、そして相手と自分との距離感を瞬時に把握する空間力などが身につく研修で、新人研修だけでなく営業職の社員研修で取り入れている会社もあります。
人に見られること、何かを演じることというのは、どちらかというと苦手意識を持っている人が多いでしょう。ですが、仕事をする上で自分を表現することやコミュニケーションにおける絶妙な間をとるというスキルはとても有効な武器となります。
社会に出る前の研修で自分の殻を破ることができれば、いざ仕事を始めるとなった時のスタートラインも研修前より高い場所にあるはずです。新入社員が自分の殻にこもらず社会で働けるよう促すのに効果的な研修といえます。
研修後には新入社員自身が一皮むけたと実感できるプログラムになっているため、最初は戸惑う社員も多いですが、達成感も得られる研修です。
(画像は写真ACより)