やりすぎな研修、行き過ぎるとブラック扱いに
やりすぎの研修はブラック研修?
新人を採用すると、ほとんどの企業で研修を行います。期間や内容は企業によってさまざまですが、やりすぎた内容が国会でも取りざたされたことがありました。研修は企業や新入社員にとって大切ですが、内容によってはブラック研修と受け取られます。どのような研修がブラック扱いになるのでしょうか。
まず研修の意味を知ろう
企業は、業務を遂行するために社員に必要な命令や指示を出す業務命令権があります。そのため、強制参加で研修を行うことができます。期間や内容などについては各企業に委ねられますが、どんなことでもやって良いというわけではありません。
業務上においての必要性や合理性と労働基準法を遵守する必要があります。例えば、自衛隊体験やマラソン、竹トンボ作成など一見すると業務に関係ないような研修でも「チームワーク」や「最後までやり遂げる大切さを知る」「ニーズと利益を追求する」などの目的がある場合は、必要性のある研修とみなされます。
どのような研修がブラック研修なのか
一貫性がなく、担当者の主観や気分で内容が変わる研修の内容に一貫性がなく、担当者の主観や気分によって内容が変わるような研修はブラック研修といえるでしょう。
例えば、大きな声でスピーチをさせるという研修は、話し方や自己表現を高めるためといえますが、担当者の主観で何時間も大声を出させる、体調が悪くなっても続けさせる、的確な指導がなされないなどの場合は問題になります。
洗脳してくる山奥等の研修場所で外部とのつながりを遮断し、無理難題を突き付けてできなければ叱責します。企業は、この研修方法で自分に自信を持てなくさせ心身ともに弱らせて正常な判断ができないようします。これにより、自我を崩壊させて他の考え方を容易に受け入れやすくするためです。
他の考え方を容易に受け入れるようになると、次は褒められます。褒めることにより、「こんな自分でも認められている」と思わせることで、会社への忠誠度を高めようとします。
また、新人研修で、会社の創始者や社長を神格化した話をする場合もあります。この方法で、正常な判断ができないようにして「この会社は素晴らしい」と思わせるように洗脳します。
スパルタな研修とは
ある程度のスパルタ研修は、多くの企業で取り入れている手法です。例えば、宿舎から外出させずに携帯電話やテレビ、新聞などの外部接触を禁止します。
他にも、早朝からのランニングや腕立て伏せ、挨拶、社訓を大声で言わせるなどの研修を深夜まで行います。最後は「今後の抱負」を大声で発表して担当者と抱き合って泣くなどがパターンが定番です。また、道で会う人と名刺交換をするなどの研修を行う企業もあります。
スパルタ研修=違法なブラック研修とは限らず、多くの企業が実施しているということは、それなりに効果があると信じられているからです。実際にスパルタ研修を受けた社員も「今までの自分の甘さがわかった」「社会人の自覚が芽生えた」などの感想を述べています。
企業側も、「職場で必要とされる人材になるために、個性や個人を重要視していた考え方を変える必要がある。上下関係やチームワークを教える必要がある」と考えているため、体育会系のスパルタ研修も取り入れているのが現状です。しかし、恐怖や威圧で研修した内容は、数週間もすると効果が薄れる場合もあります。
やりすぎの研修は時代にあっているか
スパルタ研修も内容によっては容認されていますが、最近は見直されつつあります。学校でのいじめなどが社会問題として取りざたされていることも背景にあると考えられており、新人研修でも「対話」が重要視されてきています。
また、以前は問題視されていなかった、業務以外に干渉するのも問題とされNGになってきました。
時代の流れが速く、正解がわからなくなってきている現代は、新人研修のあり方も従来の方法が問題視されてきています。しかし、スパルタ研修も必要と考える企業や業種があることも事実です。
スパルタ研修のイメージは、「力で押さえつける」ですが、ディスカッションなどで自ら気付かせる研修のほうが長い目で見ると企業や社員の成長を促す効果があるといわれ始めています。
研修内容がおかしいと思ったら身を引くことが大切
新人研修は、一概にスパルタ研修が悪いといえないのも事実で、一見して関係ない内容でも、社員教育として必要な研修もあります。しかし、洗脳や暴力などを用いた研修は、法律に違反していなくてもブラック研修となります。
少しでもおかしいと思ったら、我慢せずに身を引くことが自分の身を守るために大切です。おかしいと感じたら、すぐに信用できる人に相談してみましょう。
(画像は写真ACより)