完全自由行動の社員旅行、評判はどう?
「完全自由行動の社員旅行」とは、どんな旅行?
福利厚生として行われている社員旅行ですが、宴会や集団行動を強制されるようで嫌だ、と感じる人も少なくないようです。旅行費用を現金で支給して欲しい、と考える社員もいます。
しかし、福利厚生の社員旅行には社員にも会社にも、メリットが多いのです。そこで、社員旅行の形態をとりながら集団行動をとらない、という社員旅行を行う会社も増えてきました。
飛行機と宿だけを会社が手配して、後は自由に行動できるという社員旅行もあります。また、1日目の観光は集団で行い、2日目は完全自由行動にするという、一部を自由行動にするという旅行形態もあります。
そしてさらに自由度の高くした社員旅行の場合には、行き先まで幾つかの候補から、自分で行きたいところを選ぶことができる、という社員旅行もあるようです。
社員からの評判は良いか?
気になるのは社員からの評判ですが、おおむね好評の意見が多いです。特に、育児や家事と仕事の両立に追われる世代の女性からは、家事から解放されてゆっくり過ごせる、と評判が良いです。
集団での社員旅行には宴会が付き物のため、女性はお酌をしなければならないこともあります。宴会がない社員旅行は、女性から好意的な意見が見られます。
一方、社員旅行らしさを残すために、1回だけ全員での食事会を入れる会社も多いようです。宴会ではなく食事会であれば嫌だと感じる人は少なく、社員同士の連帯感が強まると好評です。
また、数人で同じ部屋に泊まるのが苦手という人にとっては、一人部屋を選べるシステムも好評です。
自由行動のデメリットはあるか
良いことばかりのように思える完全自由行動の社員旅行ですが、デメリットはないのでしょうか?実は、行き先や世代によっては、集団旅行のほうがいいというケースもあります。
例えば、海外旅行初心者が多い場合の海外旅行や、年配の方が多い会社などです。海外旅行では、日本語が通じません。そのため、海外旅行は初めてという人が多い場合には、いきなり自由行動をするよういわれても、困惑する人が出てきます。
また年配の方などは、バスで集団行動をするようなツアーのほうが、体力的に楽だと感じる場合も多いようです。そのため行き先や社員構成によっては、完全自由の旅行であっても、任意に参加できるオプショナルツアーなどを用意したほうがいいケースもあります。
どのような社員構成かによっても、最適な旅行形態は変わってくるため、アンケートなどで、社員の意見を聞くことが社員旅行を成功させるコツといえます。
自由行動での旅行はトラブルに注意
幹事や旅行責任者にとっては、自由行動中の一人ひとりの行動を把握したり、管理したりできないため、旅行中のトラブルが気になります。
大きなトラブルとしては、一人で行動して海外で拘束されたり、日本人を標的にした事件に巻き込まれたり、交通事故や転落事故に遭ったりする可能性が挙げられます。
小さなトラブルとしては、決められた集合時間までに帰ってこない、迷子になってしまう、帰りの切符を紛失して帰れなくなった、などのトラブルがおこる可能性もあります。
完全自由行動中のトラブルでは、こうしたトラブルが会社の責任になるケースもありえます。旅行の参加が社員の任意による参加なのか、業務としての参加などかなどにより、個人の責任になるのか、会社の責任になるのかが変わってきます。
社員旅行と自由時間の扱いをどうすべきなのかは、社員の希望を聞き取りながらも、会社の責任の所在についてもよく考慮してから決める必要があります。
また、自由行動中に起こりうるトラブルに関しては、社員にあらかじめ伝えておき、注意喚起することも有効です。
(画像は写真ACより)