社員旅行のコミュニケーション活性化によるメリット
増えてきた社員旅行実施率
社員旅行と言うと一昔前は、職場の上下関係のまま一晩過ごす気を使うだけの団体旅行でした。社員旅行に行きたがらない人も多く、JTBの調査では半数の人が社員旅行に行きたくないと答えています。ところが、最近の調査では社員旅行を行う企業が増えているというデータがあります。
産労総合研究所の「2014年社内イベント・社員旅行等に関する調査」では、1994年には88.6%だった社員旅行実施率が年々減少し、2004年には36.5%まで激減。このまま消滅していくと思われる勢いでしたが、2009年には51.6%に急増し、20014年には46%に落ち着いています。
社員旅行を復活させる理由として、何かしらのメリットがあると考えられます。社員旅行をすることによって得られるメリットとは何でしょうか。
高まるコミュニケーション力で連係プレー
一昔前の社員旅行は、縦社会の秩序のままで団体旅行をしていました。若手は上司に気を配り、女性は夜の宴会のお酌をするのが恒例でした。上役になれば気持ちの良い旅行ですが、大半の社員には気が重い社員旅行だったのです。
最近の社員旅行が復活してきた理由の1つとして、社員旅行の内容が大きく変わったことがあげられます。観光地をただ見て回る観光旅行ではなく、レクリエーション要素が主体となった企画旅行が主流となったことです。
いつもの仕事とは異なる視点を持ち、遊びやゲーム感覚の課題をチームでクリアしていくという企画が多くなりました。課題をクリアするということは活発なコミュニケーションが必要とされます。他部署との合同チームを組むと、日ごろ接しない人たちとコミュニケーションを取って交流を広げることができます。
コミュニケーションアップで仕事の効率アップ
情報化社会の現代では、OA化された業務によりパソコンとしか向き合わない日が多くなりました。職場での横のつながりも希薄になり、上司への報告もメールで済むので会話もありません。パーティションで区切られているオフィスも多く、誰とも顔を合わすことなく仕事ができる環境になっています。
社員旅行が復活した最大の理由は、OA化により希薄になった人間関係を強化するところにあります。社員旅行で社内の人とともに行動し、積極的に会話を楽しむことでコミュニケーションが活性化されます。
移動先でのレクリエーションを楽しむことで、日ごろ会話の少ない部署内でのコミュニケーションが活性化され、お互いを知ることができます。意外な一面が見えてきたり、共通点が見えてきたりしてお互いの個性を認めあうことができるようになります。
社員旅行でコミュニケーションが活性化されると、職場でのコミュニケーション力がアップする。そのことによるメリットは計り知れません。
連携が取りやすくなるので、情報が共有され報告もしやすくなります。煮詰まったときにお互いでカバーしあうこともできるようになり、部署のチーム力自体が強化されます。
社員旅行で他部署とのコミュニケーションを深めたことで、他部署との連携も取りやすくなり、結果的には会社全体の仕事の効率が上がるのです。
社員旅行を実施した会社が得られる2つのメリット
誰が何をしているかわからなかった職場では、気軽に相談できる上司や同僚の存在もなく一人で煮詰まると孤独を感じると言います。孤独を感じる職場ほど離職率が高くなる傾向にあります。
社員旅行を復活したことによって社内のコミュニケーションが活性化され、社員の離職率が下がった会社もあります。社員旅行を行うことのメリットを考えるのであれば、社員同士の交流。そこからコミュニケーションが活性化され、円滑な人間関係を気付くことができ、仕事の効率化につながるということになります。
社員旅行を実施した結果得られることは2つ。1つ目はコミュニケーションが盛んなことによる離職率の低下。2つ目はコミュニケーションの活性化による仕事の効率アップです。
コミュニケーションの活性化を促すというメリットのある社員旅行をぜひ企画してみてください。
(画像は写真ACより)