人気の工場見学、ツアー・勉強会参加を活用しよう
全国各地で開催されている工場見学
最近人気の工場見学。さまざまな企業・メーカーが工場見学の受け入れを行っています。一番の魅力は、普段では入ることのできない舞台裏に訪れて、商品やサービスができあがる裏側を見られるというところではないでしょうか。
一般的な生活のなかで接している部分だけでは想像できなかった裏側の努力や技術、また工場で働く方の想い。それらを知ることができれば、社員旅行や団体旅行などで工場見学することにより、自分たちの活動と照らし合わせ、新たな発想を呼び起こしてくれるきっかけになるかもしれません。
全国各地でありとあらゆる工場見学が開催されています。一般的によく知られている企業・メーカーも含め、工場は地方に点在しています。せっかく旅行で地方に訪れる企画を考えているなら、訪問先で開催されている工場見学のツアーをチェックして検討してみましょう。
代表品「かんてんぱぱ」、伊那食品工業
長野県、南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かな伊那谷に、有名な寒天「かんてんぱぱ」をつくる伊那食品工業株式会社の本社・工場があります。
敷地内には「かんてんぱぱガーデン」と呼ばれる一般の方が訪れることのできるスペースがあり、自然豊かな土地につくられた新緑や紅葉を楽しめる寒天のテーマパークのような空間です。ここに直営の寒天レストランやショップがあります。
工場に併設されたかんてんぱぱショップでは、10m程の通路から窓越しに工場内での袋詰めや箱詰めの工程を見学することができます。
3万坪の敷地に寒天のレストランやショップのほか、南信州ビールを飲めるレストラン、信州産蕎麦を味わえる食事処、食生活や寒天製品について学べる施設、そして長野県出身の植物細密画家野村陽子さんの作品を見ることができるミュージアムがあります。
自社の商品をつくるだけではなく、地域に根ざした企業として訪れる方をおもてなしする施設が満載のかんてんぱぱガーデン。実際に訪問して「会社も街づくりの一環、社員や地域の人など、訪れるみんなが憩える空間に...」というコンセプトを体験してみてはいかがでしょうか。
団体の昼食は予約にて受け付けしており、その際に約40分の寒天の特徴や用途、商品についての案内が可能。また経営理念や社員教育についての講話を希望の場合は問合せを受け付けており、より深く勉強するためにはおすすめです。
案内は平日9:00~17:00にて対応可能。かんてんぱぱガーデンは年末年始以外無休。
南アルプスの大自然のなか、サントリー白州蒸溜所へ
山梨県、南アルプスの大自然のなかにサントリーの白州蒸溜所があります。
日本で初めて山崎蒸溜所にてウイスキーづくりをはじめたサントリーが全国各地を調査し、第2のモルトウイスキー蒸溜所をつくったのがこちらの白州蒸溜所。南アルプスの地下天然水が育むウイスキーの魅力を存分に味わえる工場見学です。
白州蒸溜所ツアーでは、スタッフの案内でウイスキー製造工程を見学し、ゲストルームでシングルモルトウイスキー「白州」と、「白州」を構成する代表的なモルト原酒(非売品)をテイスティングすることができます。
ウイスキーの樽貯蔵庫やモルトウイスキーづくりのこだわりを見ることができるツアーは所要時間約80分、1名¥1000。
場内にはウイスキー博物館やショップ、BAR白州、レストランなどの施設がありますが、こちらもスケジュール次第で工場見学ツアーの前後に自由にまわることができます。ただし事前予約が必要です。
スタッフの案内、製造工程見学やテイスティングがなしであれば、無料にて場内見学が可能です(要予約)。BARやレストランなどの利用もでき、場内で時間を気にせず思い思いに時間を過ごせます。
別途、南アルプスの天然水ガイドツアー(無料)も開催されており、充実した施設見学。世界で認められた日本のウイスキーを体感しに訪れましょう。すべてのツアー、見学は年末年始と工場休業日を除き開催。
日本と世界の食文化に出会う、日本食研
「晩餐館焼肉のたれ」やから揚げ粉などで有名な日本食研本社は愛媛県にあります。日本人ならだれでも一度は耳にしたことがある日本食研の名前。製造する食品は多岐にわたります。本社工場では、最新の食品製造ラインを見学しながら、世界中の食文化に触れることができます。
コースは2つ。1つ目は約3時間30分、日本食研の工場や博物館などをたっぷり巡る食文化博物館コース。ヨーロッパのベルベデーレ宮殿をモチーフとして建設されたというKO宮殿工場はインパクト大。
KO宮殿工場と併設された中世ヨーロッパの宮廷食文化を紹介する宮殿食文化博物館などを中心に敷地内にある各施設を巡り、社員食堂で昼食まで食べられます(昼食代別途)。
2つ目は約1時間15分、約3時間30分食文化博物館コースの主要見学内容がピックアップされた宮殿コース。社員食堂での昼食はついていません。
費用はどちらも大人¥1000、要予約。10名以上の場合は団体予約となり、事前に電話にて日時問合せのあとFAXでの予約申し込みとなります。月~金曜日開催、また夏季・年末年始の工場休業日は開催していません。
職人の技を体感、株式会社能作
株式会社能作は大正5年(1916)、富山県高岡の地に400年伝わる鋳造技術を用いて仏具製造を開始。以降、さまざまな鋳造方法・加工技術を用い、鋳物の可能性を拡げ続けています。
近年ではテーブルウェアやインテリア雑貨、照明器具や建築金物など幅広く手がけています。さらには独自のシリコン鋳造法の開発を行い微細な鋳造を実現し、医療分野とのものづくりに着手。シリコン鋳造法の技術改良で量産体制も確立しています。
高岡銅器の長い歴史は、加賀藩主の前田利長が高岡の町をひらき、7人の鋳物師(いもじ)を招き入れたことにはじまります。
高岡の地で約400年にわたり育まれてきた鋳造。作業の様子を案内者の解説つきで見ることができる工場見学が開催されています。
費用は無料。所要時間は約1時間、1回は1~60名参加にて、毎日5回開催されています。要予約。予約はHP、電話、メール、FAXで受け付けています。
10名以上の団体の場合は事前案内があるため、電話での予約必須。日曜、祝祭日、年末年始は受け付けていません。土曜、平日でも見学不可の場合があるため、詳細はHP予約カレンダーを確認しましょう。
伝統を受け継ぐ高岡銅器職人たちを生で見て、鋳物づくりの現場のにおいや温度などを体感するツアー。現代にまで脈々と続き進化を続ける伝統のあり方を、高岡の観光地巡りと一緒に巡りたい工場見学です。